石英管を用いるタイプの赤外線ヒーター

石英管ヒータは、発熱体にKanthal系の合金線を使いそれを花巻にして透明石英管に入れた遠赤外線ヒーターです。ハロゲンヒータに比べると温度立ち上がりが遅く放射パワーも半分以下ですが、放射波長帯が遠赤外域なので紙や布や塗料やプラスチックなどの300〜400℃程度までに適しています。石英管は波長が約3μmまでは放射率がゼロに近く、4〜5μm以上では放射率が92％を超える遠赤外域の放射体として理想的な材料です。石英ガラスは3μm以下では透明なので、電熱線からの直接の放射は素通りしますがエネルギー割合は僅かです。セラミックス系の遠赤外放射材料に比べて放射特性上も優れており、完全に無害であること水に濡れても割れたり漏電したりする心配がないことから安全性が要求される用途や食品加熱関係にも安心して使用できます。石英管ヒータは遠赤外線ヒータの一種で、物に熱を与える際に物質の表面を直接熱するのではなく物質内部の分子や原子の振動を直接刺激することによって熱するため近赤外線ヒータに比べて温度立ち上がりが遅く、放射パワーも半分以下になりますが物全体を均一に熱する事ができるというメリットがあります。

具体的な例としては、紙や布や塗料やプラスチックや食品の加熱に加え、建物の断熱材や塗装や食品の乾燥にも用いられます。近赤外線ヒータは温度立ち上がりが速く放射パワーが高いというメリットがあるため、急速・高温加熱が必要な場合に適しています。具体的な例として、接着剤の溶解や金属の溶解や焼き肉のような用途が挙げられます。